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猪浦道夫著 英語すらすら作文術」(PDF版) 定価 \5,000

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  英語が総合的にできるようになるために鍵を握っているのは間違いなく「作文力」です。(筆者がいう「作文」は最初から英語で書く自由作文ではなく、日本語を苦労して英語に置き換える作文です)この本は、英語で書くということがどのようなプロセスでなされるべきなのかを根本から説明し、演習を通してどのようなことを考えながら英文を構成していかなければならないか、その「方法論」を伝授することを目的として書かれました。 

 筆者のセミナーに参加してくださる受講者に、「話すのと聴くのとどっちが難しいか」というアンケートをとると、何と「話す方ができない」という答える方が85%です。作文ができる人なら、それを即座に口頭作文することが「話す」ことに他なりませんから、要は作文の練習をきちんとしていないから話せないだけなのです。ヒヤリングというものは、圧倒的な語彙力があれば、英語のような恐ろしく音声的に聞き取りにくい言語ですら何とかなるものです。ですから、聞き取れないというのは、根本的には単に読書量、勉強量が足りなくて語彙が貧困なだけです。それを発音のせいにしているのは一種の言い訳です。

 最近大学生たちの英語力が落ちているとききます。語学を長年教えていて、確かに、大学生というよりほとんどの世代の人たちの英語力が落ちていると感じます。ただ、心ある英語の先生方の話をきくと、特に落ちているのは読み書きの力の方だそうです。また、ビジネスピープルを中心として、一番てこずっているのはやはり英語を書くスキルのようです。また、TOEICフェチの英語屋さんが中国や韓国の学習者に比べても語学力が劣っているという話をしていましたが、スコアを比較してみると、実は劣っているのは会話力ではなく、この「読み書き」の分野なのです。

 この本で筆者が皆さんに声を大にしてお伝えしたいことは、外国語の学習は暗記科目ではないということです。これまで作文セミナーなどを受講された人たちの話をきくと、なんとなく頭に浮かんだ英語をそのまま書き殴っていたというのです。正しい英文を書くには、まず文法的な「きまり」を守り、必要な情報を辞書に求めて文を構成し、ひとつひとつの語の裏にある様々な情報を比較し考えながら最適の語法、語彙をあてはめていかなければなりません。

 しかるに、巷に氾濫する英語の参考書はどれも、英文の例が訳と一緒に羅列してあるだけで、どのような学習をすればそのような英文を書けるようになるのか、という方法論については書いてありませんし、場合によっては、英語の例文と訳がかけはなれた意訳になっていて、どうしてそういう意味になるのか、などいっさいの説明がなかったりします。筆者は常々、これだけ英語の参考書が出ていながら「作文の手順・方法論」をガイドラインとして示したものがないと思っていました。

 英語は難しい言語です。作文をするうえで知っていただきたい「文法の背景」のようなものがたくさんあります。そこで、皆さんにどうしても知っていただきたい事項に関しては、筆者が既に上梓した本のなかからいくつかの記事を引用しました。ですから、内容的に重複している部分もありますが、ご了解いただきたいと思います。


<目次>

第1章 日本語と英語の構造の違い

  1-A  基本的構造と語順の比較

  1-B  格の表示方法

  1-C  日英の発想の違い

第2章 文要素の分析

  2-A  品詞

  2-B  句 phrase と節 clause

  2-C  文型

    【研究コラム】  文型に関する問題点の研究

  2-D  名詞句の構造の分析

  2-E  動詞成分の構造

    【研究コラム】  群動詞phrasal verb

  2-F  副詞句の構造

    【研究コラム】 副詞的目的格 Adverbial Objective

  2-G  文全体の語順に関する法則

    【研究コラム】 there is 構文と不定概念の主語

  2-H  コロケーション

第3章 作文のプロセス

  3-A 文型を決める

    【研究コラム6】 発想の違い

  3-B 名詞句の形態の決める(冠詞の基本的用法)

    【研究コラム7】 名詞の後に修飾語句があるときの冠詞

  3-C 動詞の形態を決める

    【研究コラム8】  現在完了について

  3-D 前置詞を決める

  3-E 類義語から文脈に合った語彙・語法を決定する方法

  3-F コノテーションや語用論的要素への配慮

第4章 基本練習問題100題

  練習問題の解答

  基本練習問題100題の解答と解説