<あなたは、文章をちゃんと分析できますか>
対象:英語の読解に自信のもてないでいる方、勉強の仕方に迷っている方、もっとも効率のよい学習法を模索している方など
英語は易しい言語ではない
よく、フランス語は発音、動詞の活用が難しい、ドイツ語は格変化が大変、とか、ききますが、私は西欧の言語のなかでは、圧倒的に英語が難しいと思います。それには、いくつか理由があります。思いつく理由をいくつか挙げてみます。
1)
(特に日本人にとって)発音が難しい(英語に比べれば、仏・独でも容易です)
2)
語彙が極めて多い(その国のもっとも大きな辞書で比較すると、仏、独、日など、だいたい15万語強なのに、ランダムハウスの見出し語は40万語以上です)
3)
格変化や形容詞などの性・数一致や活用などの語形変化に乏しいので、文章の分析が難しい
英語翻訳者はなぜ育たない
さて、ところで、私は翻訳会社を始めて20年、また、通信教育による翻訳講座を開設して15年以上経験してきて、いくつかの事実に気づきました。それは、
1)
仏、独、西、露など、他の言語の学習者に比べて、英語の翻訳家としての実力をつけることに成功した人の確率がかなり低い
2)
英語の翻訳者には、「訳抜け」や「ラフな訳」をする人が多い
3)
英語の翻訳者は、原文が「直訳でも日本語になりやすい文」の場合でも、安易に訳文をいじる人が多い
4)
スピーチレベルに関心を払わない人が多い(これは英語翻訳者だけではないかもしれません)
5)
他言語の翻訳者でも訳し間違いはあるが、それでも間違いの箇所が「単語」や「フレーズ」の単位で間違うので、誤訳を発見しやすい。それに対し、英語翻訳者の場合は、「どうしてそのような訳が思い浮かぶのか頭を捻るような訳文」を書くので校正(添削)のしようがない。
6)
固有名詞の日本語での表記など、意外と常識、一般雑学知識の乏しい人が多く、そうした情報を調査するといったことにあまり努力しない人が多い
7)
正直ベースで言うと、「英語だけの翻訳をしている人」(お断りしておきますが、この中にももちろん素晴らしいプロもたくさんいます)で本当に優秀な翻訳者は(そうなることを目標としている学習者の数に比して)少なく、非常にしばしば「他言語の翻訳者で、ついでに英語の翻訳もする人」のほうがよい英語の翻訳をする確率が高い
これらの原因はどこにあるのでしょう。その原因はこうです。(断言します)
1)
英文の徹底的な分析ができていない(「分析」の仕方も習っていないし、それに必要な「文法用語」、「品詞の定義・意味」も習っていない)
2)
英文を正しく解釈するときに守らなければならない「ルール」を知らないし、そのルールはどのように知るかの方法論を知らない
3)
言語というものがどのようなものかわかっていない(そのため、単語の意味に対する想像力、比喩の普遍性などを、日本語に置き換えて考えてみたり、類似の現象を探してみたりする練習をしていない) そのため、何を理解していなければならないか、何を覚えていなければならないか(逆に覚える必要はないか)、がわからず、いたずらに不必要な勉強をしている(そういう勉強は、たいてい面白くない)
でも、ご安心あれ。
それは70%はあなたのせいではないのです。日本語の英語教育(&国語教育)がよくなかったのです。(ついでにいうと、近年学習者たちがあのTOEICに振り回されているのでどんどんそれが悪化している) かくいう私もその犠牲者でした。
他言語の学習者に比べて、英語学習者がなぜ上記のような傾向が強いかと、特に1)と2)を知らないで訳しているからです。例えば、フランス語やドイツ語は、英語に比べると、そうしたルールを知らないとどうにもならないので、無意識のうちにルールを覚えるからです。そして、他言語を切り札にしているの翻訳者はそうしたルールを英語にも当てはめて翻訳しようとするので、英語翻訳者よりかえって誤訳が少ないのです。
というわけで、このセミナーは、上に述べたルールを学んでいただく「とても楽しい」セミナーです。
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<セミナーのハンドアウト>
「分析できない人は絶対に英語が書けないよ」
> 書けないと「ちゃんと話せないよ」
1)分析の方法 A)名詞句の分析 B)節(文)の分析 C)語順の体系的整理
2)品詞の定義 「副詞」って何ですか、自動詞・他動詞って何ですか、答えられる?
<ランチ>
3)直訳すると変てこな英文 A)発想転換を必要とする文 B)物主構文
4)翻訳に必要な情報
5)演習 実際に英語の文章を「分析読み」してみよう
そのほか、みんなの悩み相談室
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参考図書: 英語の勉強で行き詰っている方にお勧めの本です。新書で手軽に読めるものです。
1)
渡部昇一「英文法を撫でる」(PHP新書) *地味なタイトルですが本当に興味深くよい本です
2)
渡部昇一「英文法を知っていますか」(文春新書) *現場の英語の先生にぜひ読んでほしい本です
3)
鈴木孝夫「英語はいらない!?」(PHP新書) *リラックスして英語が勉強できるようになりますよ
4)
鈴木孝夫「日本語と外国語」(岩波新書) *言語というものが面白く読んでいるうちにわかります
5)
中島文雄「日本語の構造」(岩波新書) *英語学の巨人が書いた本で、英語翻訳家必読